近・現代音楽の特徴~ハチャトゥリャン「少年時代の画集」
ご訪問いただき、ありがとうございます。
石川県金沢市(泉野町)のまーぶるピアノ教室
ピアノ講師の中村真里です。
☆☆☆
西洋クラシック音楽において、
近代音楽は20世紀初頭(あるいは19世紀末)頃から、
第二次世界大戦の終わり頃までをさし、
それ以降を現代音楽とよびます。
ですが近代と現代の音楽の境界は、
今も議論が続いていて、
いくつかの意見があるそうです。
また分類せずに20世紀以降を全てまとめて
現代音楽とする考え方もあります。
と言う訳で…、
今日はまとめて「現代音楽」として
特徴や作品について
書いてみたいと思います。
1.現代曲の特徴
現代音楽の曲は、古典派やロマン派の時代の曲と
大きく異なります。
①調性
調性があっても
古典派やロマン派の時代のように
はっきりとしなかったり、
長調と短調の区別がなく
書かれていたり、
民族的な音階や旋律形成、
多調的な作り方のものもあります。
②フレーズ
古典派、ロマン派の曲は
2+2の連結で4小節を2つ
繋ぎ合わせて8小節にするのが
基本とされましたが、
現代曲は3小節や5小節のフレーズもあり、
3+2や5+6などの
不規則な形もあります。
③拍子
5拍子、7拍子もあり、
主題の中に異なった拍子が
挿入されているものもあります。
④和音
和声学での基本的な三和音を
自由に変化して用いたり、
臨時記号をつけて変化させています。
⑤音型
一定の音型の繰り返しが
よく用いられています。
これを「オスティナート」
とよぶこともあります。
同じ音型を反復することを
機械的、非情的につかうことで
古典派やロマン派の反復とは
全く異なるものになっています。
2.ハチャトゥリャンの「少年時代の画集」
「少年時代の画集」は、
「少年」とありますが
こどものために書かれていないので、
読譜力とテクニックが必要です。
例えば3曲目と4曲目は、
調号を用いないで
全て臨時記号で書かれているので、
♯と♭の譜読みが苦手な場合、
難しく感じる曲です。
反面、この曲が弾けるようになったら
臨時記号が得意になります (^^)v
発表会でよく弾かれる
5曲目の「Etude」も調号はなく、
臨時記号で書かれています。
ちなみに最後の小節は、
左右共にCとG(ドとソ)の5度の和音で
終わります。
拍子は4/4ですが、変拍子のように
聞こえるリズムが使われています。
1小節目、右手のテヌートが付けられた
二つの2分音符(ソーソー)が
8分音符4つを挟んだあと
三つ(ソーソーソー)になり、
同じ8分音符4つを挟んだ後、
また三つ(ソーソーソー)になります。
この2分音符の変化により
2拍子と3拍子が混ぜられているように
聞こえます。
リズム先行型で、常に動きがあり、
音の響きや曲の構成も面白いです。
一度聴いたら忘れられない
メロディラインも特徴的です。
9曲目の「バレエのひとこま」は、
ハチャトゥリャンの有名な
バレエ「ガイーヌ」の中の
音楽を基にして作られた曲です。
この曲はバッハのインベンションの書法が
取り入れられています。
☆☆☆
古典派、ロマン派にはない
魅力のつまった現代曲
「少年時代の画集」
よかったら弾いてみてくださいね (^o^)丿
本日もお読みいただき、
ありがとうございました。
≪参考資料≫
「少年時代の画集」全音出版社
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E4%BB%A3%E9%9F%B3%E6%A5%BD